4466号 「牡丹灯籠」

「牡丹灯籠」は、三遊亭圓朝が明(中国)の小説集『剪灯新話』からヒントを得て創作した人間の業の深さを表した大長編のドラマだ。

「牡丹燈籠」というと、恋焦がれて死んだ美貌の娘の幽霊が、カラン、コロンと下駄の音を響かせ、夜ごと愛しい男を訪ねるという点が強調され、怪談のひとつとして有名になっている。

しかし三遊亭円朝作の本編では、怪談部分はほんの一部で、大筋は長編人情噺(仇討ち)の形をとっている。

普通怪談というと、怨念による復讐劇が多いのだが、「牡丹灯籠」は恋人に会いたいばかり「化けて出る」という設定だ。

この長い噺を三遊亭圓生は、「お露新三郎」「お札はがし」「栗橋宿/お峰殺し」「関口屋」と4つに分けて演じた。

円朝の作品に共通で、登場人物が多く、この噺では18人が登場する。


有名な箇所はお露の幽霊が出るところだ。

新三郎と逢瀬を重ねる幽霊のお露は、新三郎には美貌の娘にしか見えないのだが、外からひそかに覗き見た隣家の伴蔵には、お露は骨と皮ばかりの幽霊と見えた。


NHKで「令和元年版 怪談牡丹燈籠」が4回連続で放映された。

映画やテレビドラマで幽霊を表現するのはとても難しく、NHK「令和元年版 怪談牡丹燈籠」では、顔がくずれた四谷怪談のお岩さんのような風貌で流した。

その上、お露が空中を飛んだり目がランランと光ったり、あれはダメだ。

これはいけない、お露はそんな病気ではなかったし、恋焦がれて死んだのだからもうすこしマイルドにすべきだった。

現在の技術ならなんでもできたはずだ。


<旗本飯島平左衛門は若いころに酒乱の浪人黒川孝蔵を斬り、のち偶然にもその子孝助を召し抱えた。
平左衛門の妻はお露を産んで死に、女中お国が平左衛門の妾となったが、お国は隣家の宮城野源次郎と密通し、2人は平左衛門暗殺を謀る。
それを知った孝助は源次郎を討とうとして、間違えて平左衛門を討ってしまう。
平左衛門が覚悟のうえで討たれたことを孝助は知り、その仇討に2人を追って旅立つ。

一方、娘のお露は浪人萩原新三郎に恋い焦がれて死に、お盆から毎夜その幽霊が女中お米に手を引かれ牡丹灯籠を提げて新三郎のもとに通う。
自分が幽霊と逢瀬を重ねていることを出入りの伴蔵に知らされた新三郎は、谷中新幡随院の両女の墓に参り、良石和尚の加持とお札を受ける。

そのお札のためお露の幽霊は中に入れない。お米は伴蔵に「お札をはがしてください」と頼むが「100両くれたら」と答える。幽霊から百両の金をもらった伴蔵がお札をはがしたため、新三郎は幽霊に命を奪われてしまう。

逐電した伴蔵夫婦は栗橋宿で荒物屋を営むが、伴蔵が酌婦となったお国に近づき、嫉妬した女房おみねは錯乱して伴蔵に惨殺され、伴蔵も江戸で捕らえられる。
旅先で孝助は再婚した生母と対面、婚家の先妻の娘がお国と判明するが、母は婚家への義理で、お国と源次郎を孝助の追っ手から逃がして自害する。
孝助は2人を追ってめでたく本懐を遂げ、1子孝太郎をもって飯島家を再興する。>

円朝は明治初期、この20年に亘る長い歳月の物語を書き綴った。

NHKの4話では、円朝の噺とは異なる展開で終了している。

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